「しりとりで人生が変わればいいのに、、、」なぁんつって。
そんな奇跡を待ちながら、ヒマのお供のもじ遊び。
しりとりしてたら、なんだか世界が広がったなぁ、
心からそう思えるような体験を提供いたします。
うっそーん。

第五回(2013-03-21)
ストレートという魔球
 

藤川球児のストレートがなぜ「魔球」と呼ばれるのか。
それは、「真っ直ぐ」だからである。
なにを至極当然なことを、なんて思われる方に
はじめで伝えておかなくてはいけないのだが、
ストレートを「真っ直ぐ」投げるなんてことは、まず不可能である。
なぜなら、当たり前のことだが「重力」というものが存在するからだ。
彼のストレートは、この重力に反発しようとする力が
他の投手よりも数段強いのだ。
彼と対峙するバッターからすれば、
「ここだ!」と思って振り出したバットの軌道よりも
さらに上をボールが通過していく。
ボールが藤川の指先から離れた直後には低目だと思っていたものが、
見事に高めに決まったりするのだ。

 

普通、重力の影響でボールはだんだんと落ちてくる。
どんなに速いボールでも少しずつ下降していることを、
プロのバッター達は、意識的か無意識かわからないが
読み取っているのだ。
実は、僕らはこれと似たようなことはたまに体験する。
遠くから見たら可愛いと思ったら近づくとそうではなかったり、
写真で奇麗な女性を生で見るとコメントに詰まったり、
後ろ姿が美人な女性を見つけて前に回った瞬間に
思わず目をつぶってしまったり、
大抵ははじめの印象を下回ってしまう。
多くの人はその事実を薄々感じている。
現実はこういうもんだと受け入れている。
しかし、藤川のボールはそれを裏切り、
僅かばかりの落差で飛んでくるのだ。
その落差が僕らの考えているものより遥かに小さいために、
彼のボールは浮き上がって見えるのだ。

 

なぜ彼のボールだけが強く重力に反発するのか。
推測するに、彼はいま遅すぎる反抗期を迎え、
しかしその反発する対象がいないために、
仕方なく重力に歯向かっているのだ。彼はいい子過ぎたのだ。
そしてもう一つ、
彼のボールの軌道はマグヌス効果の働きとも強く関係している。
進行方向に向かって強烈なバックスピンをかけると、
進行方向に垂直な上向きの力が発生するのだ。
またボールの回転速度が速い程、
ベルヌーイの定理により上向きに推す力は強くなる。
つまり、強いバックスピンをかけてボールを投げると、
重力に逆らい、真っ直ぐミットまで届くのだ。

 

ここで、僕はあることを感じた。
言葉も一緒なんじゃないか、と。
どれだけ想いを込めて伝えようとしても、
なかなか相手には真っ直ぐ届いてくれない。
ならば、その言葉も強烈な逆回転をかければいいのではないか。
そう思って、僕は周囲の人に巻き舌で喋りかけてみた。
語と語の間に、無駄にラ行を挟んでみたのだ。
すると、皆が皆、「?マーク」を額に浮かべていた。
こんな定理なんて嘘っぱちである。

 

実際に藤川のボールは、回転数が多いらしいのだ。
通常の投手が投げたストレートは1秒間で平均約37回転するらしい。
しかし、藤川はそれが約45回転であるとのことだった。
ちなみに、現メジャーリーガーの松坂牛は41回転、
主婦が発明した新製品みたいな名前のマーク・クルーンが
43回転であった(クルーンは球速の日本プロ野球記録保持者)。
数年前、ミキティことフィギュアスケートの安藤美姫が、
女子初の45回転ジャンプに成功したとして話題になったが、
藤川のストレートの回転数はそれとほぼ同じ回転数なのである。
むしろミキティの方が凄い。

 

そんな藤川も、昨シーズン限りで阪神タイガースを退団してしまった。
彼の長年の夢であった
メジャーリーグへの挑戦権(海外FA権)を取得したのだ。
移籍に関しては賛否があるだろうが、
個人的には彼のボールがメジャーの強打者達にどこまで通用するのか
見てみたいと思う。
全盛期に比べたら彼のボールの威力は弱まっている感があるが、
それでも藤川ならやってくれるんじゃないかと思う。
もしダメそうなら、ミキティを投げちゃえば良いんだと思う。

 

※2013年に書いた記事なので、
現在の情報と異なります。ご了承ください。

 

↓ 藤川球児

 

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